Ten years ago, an unprecedented disaster called the Great East Japan Earthquake occurred. I would like to express our gratitude again to all the kayakers who have received more support from Japan and overseas, and to those who have supported QJ's support program. Reconstruction of the disaster area is midway. I would like to continue to support the disaster area while asking what I can do. I looked back on the support development by QJ at that time. You can see it in PDF.

10年前、東日本大震災という未曾有の災害が起こりました。国内・海外より多くのご支援をいただいたカヤッカーのみなさん、QJの支援プログラムを応援してくださった方々に、改めて感謝の意を表します。被災地の復興は道半ばです。これからも自分にできることは何かと問いながら、被災地への支援を続けていきたいと思います。当時のQJによる支援展開を振り返ってみました。PDFでご覧いただけます。
新型コロナウィルスの影響で、海に出られない、練習ができな日々が続き、何もしないまま、1年の半分が過ぎ去ろうとしております。 しかし、このまま何もできないまま過ごすのももったいないですし、何かできないか、と考えた結果、皆様に役に立つ(と思いたい)情報を、どんどん提供していこう、ということで、不定期の短報「siku」を出すことといたしました。
「siku(スィク)」とは、イヌイットの言葉で「氷」という意味です。私自身、氷の上にいるのが大好きなのと、カヤックといえば氷の海でしょう、ということでこの名前といたしました。
こちらからダウンロードしてご覧ください。
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Due to the new coronavirus, We can't go out to sea or practice how many month. And already passed half of the year with nothing to do.
However, it would be a waste of time to continue doing nothing, so we decided to do something about it, and decided to publish short report "siku" to provide useful information to you.
The word "siku" is an Inuit word meaning ice.I chose this name because I love being on the ice, and I think paddling Qajaq in a icy ocean is the most beautiful scene.
You can download the file from here.
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こんな状況ですので、家でヒマを持て余している方もいらっしゃることでしょう。 私もあまりにヒマでしたので、ペーパークラフトを作ってみました。 自分のカヤックを作ったことのある方でしたら、それほど悩まずに作れるのではないかと思います。

The world is being stirred by COVID-19. Many friends have stayed at home, and perhaps they have too much to spare. And you should be one of them. Of course, I also do so. I had extra time, so I tried making a paper craft for the Qajaq frame. If you have made your own Qajaq, I think that you can make it without much trouble.


Qaannat Kattuffiatはグリーンランドのカヤッカーたちによる、狩猟文化の維持を目的とした組織です。「Qaannat」は“カヤックの複数形”で、「Kattuffiat」は“組織”を表わします。後述しますが、前身である「Qajaq Club」がネーミングの始まりになっていることは想像に難くないです。 活動内容としては、ロール、カヤックメイキング、ロープジムナスティック、ハープーン投げ、文化史の探求等があります。これらの一環として年に一回トレーニングキャンプやチャンピオンシップ(この二つは連動してます)といったイベントも開催されています。今日ではグリーンランド内の25のクラブを束ね、また外国人クラブとして米国(QajaqUSA)、デンマーク(QajaqCopenhagen)、そして日本(QajaqJPN,)も傘下に加わっています。 遥か昔からグリーンランドはカヤッカーの国でした。アザラシはイヌイットたちの主な経済源であり、カヤックはそれら海生哺乳類を狩るための恰好の道具だったのです。音もなく忍び寄り、一気に突く! 男たちの価値はまさにこの狩猟テクニックとカヤックのスキルで決められていました。

その後、1920年頃、グリーンランド一帯の沿岸海水温が上昇。氷が融け、エンジンボートが縦横無尽に走れるような環境が現れ始めました。徐々にカヤックの必要性が衰退していきます。イヌイットたちは過酷な環境の中で生き延びなければなりません。なるべく効率よく、そして命を晒すリスクを軽減する方向へ意識が向くのは本能に従ったものであったと思います。やがて全ての世代がカヤックのことを忘れ去り、知識も技術もそれ以上の進歩を見せることはありませんでした。グリーンランドからカヤックが消え、エンジンボートの時代が完全に定着したのです。 それから約60年の年月が流れました。思いもかけぬところから“運命のとき”がもたらされます。 1983年。グリーンランドはヌークの博物館にオランダから3艇の古いスキンカヤックが貸与されました。何人かの若者がこれらのスキンカヤックに目を奪われたのです。そりゃもう“ガン見”だったことでしょう。1600年代~1800年代の彼らの祖先は間違いなくこの挑発的で尚且つ究極の曲線美を持ったフネを自在に操り、そして家族のために狩猟を行なっていたのです。「これヤバくね? マジでヤバいって」そんな会話でもしたのでしょうか。若者たちはこの遺産を守るためにクラブの発足を決意しました。 これがQaannat Kattuffiatの前身です。当初は「Qajaq Club」と呼ばれ、ユニフォームとも言えるお揃いのTシャツには「"QAJAQ-ATOQQILERPARPUT" (俺たちは再びカヤックを使うぜ!)」と書かれてあったそうです。

1984年創設から翌年後半には会員数1000名! この数字は彼らグリーンランド人が文化としてのカヤックをどれだけ誇りに思っていたかを表わしていると思います。 その後、Qajaq Clubはカヤックの記憶を持つベテランたちを積極的に誘い、カヤックの作り方や使い方を学びました。そして今日に至ります。このようにQaannat Kattuffiatはカヤック文化の再興に大きく貢献してきました。中でもManasse Mathaeussen氏の存在は偉大だったと言えます。ほとんど失われた知識や技術を若者たちに指南したのは彼です。彼は当時70歳代でしたが、若者たちにレクチャしたロールマニューバの数たるや凄いものだったそうです。その他にもQaannat Kattuffiatはアザラシ漁に精通したベテランカヤッカーを集めることで、若者たちに狩猟文化を再び語り継ぐことを可能にし、そして実践へと移していったのでした。今日、グリーンランドに散在するたくさんのクラブではカヤックメイキングやロールマニューバ、あるいはロープやハープーン、そして文化史等の知識や技術の向上促進について、老若男女問わず積極的に取り組んでいます。距離的に離れていながらもクラブ間の活動がシンクロしているところは素晴らしいの一言です。マリギアックが大工という本職を持ちながら、ロールやメイキングのレクチャのために常に世界中へ飛び回っていることからも、そのプライオリティが伺えます。それは彼らの自尊心、あるいはグリーンランドの狩猟文化が世界のカヤッカーたちに与える影響、つまり“誇り”と同義なのでしょう。「遊び」や「レジャー」とは明らかに一線を画しています。
長くなりましたが、2010年に我々はこのQaannat Kattuffiatの一員になりました。オランダからの3艇をガン見した若者たち、そして因果が巡って再びカヤッカーとして活躍する機会を得たベテランカヤッカーたち、彼らの一挙手一投足が我々にも繋がっていると思うと何かとても大きな使命感を感じずにはいられません。アジアの片隅からですが、彼らの文化を守り、そして世界に広めていけるような活動を展開したいものです。


Top :列伝第六話 高梨さん登場!
Qajaq :フレームの構造
Rolls : チェストスカーリング
Events : Practice Meeting 201808 in Lake Motosu 終了!
Docs : 第五話(三蔵さん&酒女さん)を“Retsuden”に移行(2018/06/21)


第六話 はい、髙梨木材です

列伝第六話は、うがちゃんこと髙梨さんの登場です。カヤックの材料調達では多くのメンバーがお世話になってます。おそらく、カヤックの部材に関して精通している日本唯一の材木屋さんだと思います。
ワークショップで大変お世話になっているんですけど、オーダーを受ける側としてなにかこう苦労されるところだったり、大変なことはありますか?
うーん…やっぱりリブ材ですかね。材があまり良くなくて、うまく曲がらなかったという話を後から聞くと気になりますよね。加工する人(曲げる人)が慣れてない場合もあるのでしょうけど、提供する側にしてみれば、どうしても気になります。

あれは同じ木から取っているんですよね?
はい、柾目でとっています。でも、材によって個体差があるので、例えばちゃんとした柾目なら問題ないのですけど、目がこう入っていると(斜めっぽく手で説明)全滅なんて場合もありますね。
我々は素人なので、樹種やグレードといった限られた情報でしかオーダーできないんですけど、もし「こういうオーダーの仕方ならモアベターよ(ふ、古い!)」と言うのがあれば教えてください。
うーん、難しいですね。ただ、安価な線を狙うなら方法が無くも無いです。例えばガンネル材で言うと、規格ですね。4mを超えると値段がグッと上がってしまいます。4m50cmでオーダーされる方がいたとするじゃないですか。丁度そのサイズがあればいいんですけど、無ければ5mの材とかになってしまいます。余分な部分をガンネル両端のウェッジに転用するとか、そうやってコストダウンを図る方法はあると思います。あとは、高価な部材で言うとエンドピースですか。2m20cmとかでオーダーが来たりします。こうなると割高です。おそらく厳密なサイズを出さないでオーダーされる方もいるんじゃないかなと思います。ダンボールなどで型を作って、なるべく正確なサイズでオーダーする方が経費削減できると思います。あとはホームセンターで材を調達する手もあります。樹種や木目に拘らない部材についてはその方がいいかも知れません。

専門のお店の方から見て、ホームセンターの材ってどうなんですか?
耐久性の問題ですかね。値段の差はそこだと言ってもいいでしょう。ただ、次から次へと作っていくのであれば、あるいは使用期間が短くて頻繁にメンテしていくのであれば、ホームセンターの材でも全然OKだと思います。
最近、Facebookで木工で小物を作っているのを見ますが…。
ええ、あれは子供なんかが集るイベント用で、協同で出店してくれないかという依頼があって作ってますね。鉛筆を作って売ったり、あとは「鉛筆削り」の体験をしてもらったりですね。あとは、イベントとは別に、面白い枝があれば削ってみたいなとかいうのもありますね。
材のオーダーに話が戻るのですが、我々がオーダーするときって大体がイエローシーダーかレッドシーダーだと思います。高梨さんの目線で見て「実はこの樹も面白いんじゃないかな」というのがあれば教えてください。
ガンネルに関して言えば、入手のしやすさと木目がちゃんとまっすぐになっているという点でイエローシーダーがベストだと思いますね。あと、レッドシーダーもいいんですけど、ちょっと柔らかいですよね。好みの問題でしょうけど、売る方にしてみればちょっと心配ですね。
マシック等のブロック状のものであれば、ホームセンターではなかなか入手できないかも知れませんが、ヒノキとかでもいいと思います。
ホームセンターで材を選ぶポイントは?
ホームセンターって基本的に売れたら補充なんですよ。なので、後々に残るのは曲がった材とかあまり良くないもの。タイミングが大きく左右しますね。で、それらを一旦大元に戻してカットするのか、あるいはホームセンターでカットするのか分かりませんが、曲がりや捻じれを取り除いて再度売り場に出てくるものもあるようです。
とても多い問い合わせで「カヤックを作りたいんですけど、どうしたら良いですか?」というのがあるんですね。材の入手の仕方の一つとして「地元の材木屋さんに訊いてみるといいですよ」というアドバイスを返してあげます。そうすると、ほぼほぼ決まって「長い材が手に入りません」という答えが返ってきます。
そうなんですか? 僕の知り合いに何軒か問い合わせてみたことがありますが、4mや4m超の材は手に入るようでした。でも、近所にそういった材木屋さんがない場合、いま運送側が“長モノ”に対応してくれないので、なかなか難しいですね。宅配便では2mぐらいでもうアウトなんじゃないかな。分割だったら送れるかも知れませんね。あとは、ネットワークですね。全てのオーダーを自分のところで製造できるわけではないので、出来ないものは卸業者とか木材市場を通じて手配します。地元の材木屋がどういうネットワークを持っているかですね。
ただ、部材によっては加減が分からないと思うので、手配の問題だけで収まらない部分もあります。例えばリブ材のように曲げ加工をしなければならない部材については、木目の走り方を見る目が必要になってくるかも知れませんね。
建築資材の場合は、材を見て三方向に節が無ければ問題ないということになるんですが、カヤックの場合は四方向すべてに節が無いというのが条件になります(無節をオーダーした場合)。ここがハードルの高いところですね。
納品してもらってから、実際の作業に取り掛かるまで時間がある場合があります。どういう保管方法がベストなんでしょうか?
包んじゃうのはよくないですね。蒸れちゃいます。木材ってのは乾燥してても水分がゼロってことはないんです。それをビニールとかラップで包んじゃうと、気温が上がったときに水分が放出されて、カビの原因になったりします。ただ、イエローシダーで言えばカビは生えにくい樹種ではあります。生えちゃった場合はカビ取りの溶剤なんかで対応すればよいと思います。カヤックが完成し海水に浸かれば、それで防腐対応にはなりますね。
もっとも材を失う確率が高いのはリブ材なんですが、その辺でナニかチップスとかトピックがあれば。
いまうちで加工できる限界の薄さが4mmです。耐久性の問題が残りますが、薄さを調整する手はあると思いますね。あと、材を変えてみるとか…。個人的に面白そうだなと思うのがタモ材です。
タモ材って? タモって樹ですか?
そうです、バットです、バット(素振りのモーション)。アッシュなんて言ったりしますね。
アッシュ!? トネリコってこと? ノーチレイがまだ木製フレームだった頃、トネリコを使ってましたね。
日本ではあまりトネリコって言わないかしれませんが、そうです、トネリコです。もしよければ、試しに曲げてみてください。
最後に、材木屋さんと視線から離れて、いちメンバーとしてQajaqJPN,に期待することや、あるいは「ここはちょっと直した方がいいんじゃないの?」って御意見があれば是非!
最近は、活動の場が増えてきていいなぁと思ってます。あとは作ったカヤックにどんどん乗って欲しいですね。

髙梨さん、お忙しいところありがとうございました。


2019年5月25 新舞子“うみねこ”にて








QajaqJPN,では常時メンバーを募集しています。カヤックメイキング、グリーンランドロール、その他極北の狩猟文化等にご興味があれば、国籍・年齢等一切問いません。現在の会員数は80名ほどです。北は北海道から南は沖縄まで、日本各地にメンバーがいます。さらに、アメリカ、ロシア、ハンガリー、台湾といった海外にも!
さぁ一緒にワークショップ、練習会、合宿、GUTSを楽しみましょう。まずは会則を御確認いただき、お名前とメールアドレスを明記の上、コチラまでメールください。折り返し詳細をお知らせします。

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