今後のQajaqJPN,について

QajaqJPN,は主にグリーンランドスタイルのカヤッキングに傾倒するカヤッカーの集団です。結成は2003年。G-style20xxやGUTSといったイベントを重ね、知識やスキルを身に付けてきました。その甲斐あって、2010年にはグリーンランドカヤックの総本山であるQaannat Kattuffiatのオフィシャルクラブとして認められました。ちなみに、外国人によるオフィシャルクラブは世界に三つしかありません。名誉と言っても過言ではないでしょう。ただ、これまでのQJの活動を省みたときに、どうもグリーンランドロールに偏った感があります。「まずQajaqありき」というステップを軽視してしまったようです。グリーンランドではグリーンランドカヤックをQajaq(発音はカヤックです)、市販のリジッド艇をQajariaq(発音はカヤリアック)と区別しています。毎年開催されるグリーンランドナショナルチャンピオンシップにはQajariaqの参戦は認められていません。徹底しています。その昔は外国人の参加も許されませんでした。余計な要素が加わるのを防ぐためだったのでしょう。そういう意味でも我々はもう少し慎重になるべきなのかも知れません。というわけで、いま一度原点に立ち戻ってQajaqを軸とした活動に再シフトしようと思います。QajaqJPN,はシーカヤッククラブではありません。レジャーやレクリエーションとも一線を画します。しかし、あまり過激な方向へ向かうとロクな弊害を呼びかねません。こういった改革は、じっくり時間をかけて徐々に進めていくことが大事かと思います。現執行部の意向ではQajaqにシフトするまで四年計画ということで目論んでいます。もちろん、様々な事情からQajaqを作ったり所有するのが難しいメンバーもいることは重々承知しております。Qaannat Kattuffiatの意に反するかもしれませんが、今後のQajaqJPN,は独自の体制によってQajaqとQajariaqの物理的な共存を容認し、今までの「ロール練習会」や「合宿」も継続しつつ、Qajaqを第一義とした活動の展開を行なっていく次第です。その手始めとして2018年は「感化」を目標としました。Qajaqの露出頻度を上げ、その魅力を発信していきます。そして一人でも多くのメンバーが“自分のQajaq”と巡りあえる機会を作れればと思います。何卒よろしくお願い致します。




Anders Thygesenさん来日!QajaqJPN,では彼のご好意によりQajaqメイキングのプレゼンテーションを拝聴する機会を設けることになりました。

ちょっとマニアックな資料を集めてみました。ダウンロードして、ぜひじっくりとご覧ください。



メンバー募集!

QajaqJPN,では常時メンバーを募集しています。カヤックメイキング、グリーンランドロール、その他極北の狩猟文化等にご興味があれば、国籍・年齢等一切問いません。一緒にワークショップ、練習会、合宿、GUTSを楽しみましょう。まずはお名前とメールアドレスを明記の上、コチラまでメールください。折り返し詳細をお知らせします。



Join us!

We are always recruiting members. If you are interested in Qajaq building or Greenland Rolls, please join us. We do not matter about your nationality or age. Actually, our club has members from the USA, Hungary, Russia, Taiwan, China. Please email here. I will reply the details to you. Thanks!


第一話 天狼星が行くっ!

QJ列伝、その第一話は初代QJ代表の田中さんの登場です。日本のグリーンランドスタイルを牽引して15年。常にキャリアとスキルが正当にマッチしている印象が強いですが、Qajaqとはどんなスタンスで付き合ってきたのか、そしてこれからのQJに思うこと等、興味深いお話を聞くことができました。 田中さん、お忙しいところ、ありがとうございました!
最初にQajaqを作ったのはいつで、そのきっかけは何だったのでしょう?
最初に作ったのは2001年の「キットプロジェクト(Greenlanders主催)」で、果たしてキットでどんなQajaqが作れるのかと思い参加しましたね。あの時は“まんぞうさん”という先駆者がいたからね、あれこれ色んな話を聞きながら知識を溜め込んだっけな。

今までに作ったQajaqの中で最も思い出に残っているものは何号艇ですか?
やはり一号艇かなぁ。キットのガンネルがいきなり分割タイプだったからね、まずはそれを繋ぐところからだったけど、僕自身そんな経験なかったわけで、ぜんぜん知らない世界だよ。すべてが新鮮だったね。で、一工程進めただけでも、明らかに進捗があってカタチが見えてくるわけ。それは、本当に面白かったな。決定的だったのは「木が曲がる」瞬間を見せてもらったときだね。知識の中では「わっぱ」とか、そういうものを知っていたけど、まさか自分で曲げるシーンが来るとは思わないよね。でも、それを見たときに「あ、Qajaq作れるかも」とひとつの確信を持ったのかも知れないなぁ。それぐらいの衝撃だったわけ。

一号艇を作る様子をそばで見ていて、とても手馴れた印象がありますが、それ以前に何か作ったことがあったんですか?
ない(笑)。日曜大工もやったことない。道具もそんなに持ってなかったしね。棚すら作ったことなかった。その割りに一号艇がサクサク進んだのは、とにかくジーッと止まっているのがイヤな性分なんで、貪欲にネットや本で資料を漁りまくって、好奇心が後押ししてくれたような感じかな。注意したのは「こうしなければならない!」というアタマを持たないようにしたこと。ビームの固定の仕方ひとつとっても、そのアプローチはひとつじゃないわけだ。自分に合ったやり方、あるいは自分がやってみたいやり方を選ぶという余裕は持ちたいよね。

Qajaqを作る上での信条はありますか?
常に新しいモノを入れていくということかなぁ。同じことは二度やらない(笑)。前回とは違うアイディアだったり、人とは違う作り方などを取り入れて、より「自分だけのQajaq」感を強くしてきたかも知れないね。そうじゃなきゃ、面白くないっしょ!(笑)
田中さん見てると、作った後にガンガン漕ぎますよね。それは次の艇へのアイディアだったりヒントを模索してのことなんですか?
漕がないと申し訳ないから(一同爆笑)。自分で漕ぐために作ったんだからさ、漕いで当たり前、当然でしょ。人にあげるために作ってるんじゃないんだし。でも、そんな中に次の艇へのヒントが出ることもある。狙って出るもんじゃない。そんなもんよ。

Qajaqの何が田中さんをそんなに魅了しているのか? なんで十数年も、何艇も何艇も作ってきたのですか?
結構ヒマなもんでね(一同大爆笑)。まず北の世界かな。グリーンランドだったり、アリュートだったり、狩猟の世界への憧れが強かった。その原点を知りたい、見たい。自分はツーリング艇や平パからカヤックの世界を知って、そういった様々な経緯からいまグリーンランドスタイルにいるわけだけど、ここまで来たら次はグリーンランドへ行って、現地のQajaq・生活・自然をこの目で見てみたいという願望が今あるね。そこで原点に辿りつけるような気がする。

カヤックを始めた当初、カヤックがグリーンランド発祥だということは御存知でしたか?
アリュートについては何となく知ってたかな。自分にとって最初のトラディショナルはアリュートだったしね。そのうちマリギアックのビデオに出会って「あー、こんな世界もあるんだなぁ」ってところから、カヤックがグリーンランドの狩猟道具であることを知ったわけ。それで気持ちがどんどんソッチへ動いていったんだね。

これから作る人たちへの助言とかメッセージ等ありますか?
そうだなぁ。自分のときは、最初の一艇は「作り方を覚えるため」の教材として考えていたね。で、作るにあたってあまり凝り固まってしまうとつまらないので、人の作り方を見たり、インターネットや本を見たりで、さっきも言ったけど「自分に合った作り方」や「やってみたい方法」など、いくつも選択肢を用意したよ。とにかく、工程を覚えながら一艇完成させれば、次はもっと自分にとっての自由度がアップしたフネを作れるじゃん。なので、一艇目は本当に割り切って作ったな。
作るにあたって漕ぐことは大事ですか?
大事、大事。いろんなカヤックに乗ってみることによって、形状から性格を推測できるようになる。そういう経験値を持って作るのと、単にカタチを作り上げるのとでは、完成したものの出来が全然違うと思うなぁ。

QJをQajaqクラブとして確立してくためには何が大事だと思いますか?
いろんな人の思惑ある中で、適当な落とし処を見つけるが無難だと思うけど、それだと代表に就いた意味が薄れてくるでしょ。最後の最後は代表が思うところへ持って行くのがベストだと思うけどね。それにQaannat Kattuffiatからの要求が日本に適合できるかというと、それもまた難しい問題で、なかなか旨いこといかないよね。向こうがこっちの状況をリサーチでもして、適切なアドバイスをくれるならわかるけど、それもしないで「あーしろ、こーしろ」は無理があるんじゃないだろうか。100%グリーンランドスタイルをこの国で再現できるかって言うと、難しいやね。アザラシだっていないしさ(笑)。あ、たまにタマちゃんが来るね。狩ってみるか! とにかく、今日明日で出来る話じゃないことは確かだね。文化を馴染ませるには余程の時間が必要だと思うよ。
それにはやはり次世代が必要になってくるわけで、ずーっと僕や伊東さん、魚住さんってわけにもいかんよなぁ。若手が育ってくれればね、また色々変わってくるんじゃないかな。

今年の田中さんはどんな活動を展開していくのかお聞かせください。
SUPだね(爆笑)。冗談はさておき、Qajaqメイキングはまたやってみたいね。志木のアトリエでやってるワークショップにも顔出してみたいなぁ。行って、ウソ教えちゃう(笑)。経験値がある者としてね、初心者と話すことは大事だと思うよ。何でもいいのさ。とにかく直接話すことで、何か伝わると思うのよ。それと、誰かと一緒に作業するって楽しいやね。昔やった千倉のみかん倉庫だったり、バラクーダだったり、わいわいやりながら作る現場に行ってみたいな。そして、その様子をオモテに見せるのも大事だと思う。どんどん見せて「あー、いいなぁ」と思わせる。同時に何をしているクラブなのかハッキリ見せられるでしょ。 とにかく、自分のフネを自分で作れる。こんなに面白いことないじゃない。そこをもっともっと見せていったらいいと思うよ。最初の一歩なんだよね、これがなかなか踏み出せないんだな。その一歩を誘導してあげるだけでも、充分意味があるね。ワークショップ、頑張って。
2018年1月6日 新舞子G-BASEにて

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